知られざる逸材?


きっかけはfacebook上でたまたまみつけたこの映像



ありがちな”Over the Rainbow”だし、ただの虹の綺麗な風景をきりとった映像なんだろうなぁ。。。と普段なら振り向くこともないはずなのに、Eva Cassidyと書いてあります。聞いたことない歌手だなぁ。。。とクリック。


あれ?


えっ!


うそ!


すぐにその歌に釘付けになりました。


もともとポップス系には疎い方ですが、高い能力をもった歌手の名前くらいは知っていると思っていたのに、Eva Cassidyは全く未知でした。


調べるとすでに1990年代半ばに33歳で亡くなっていて、アメリカでもワシントンDC近辺でちょっと生前に有名であったくらいの歌手なのだそうです。


YOU TUBEにはこんな映像とか



を含めいくつかの映像が紹介されているとはいえ、アルバムも


Live at Blues Alley

Live at Blues Alley


のほか、コンピュレーションアルバムがあるくらいで、ヒット曲があるわけでもないようです。


いやいや、ちょっと待て。バラード系がたまたまうまい具合に歌えた部分だけが耳に入っているだけで、本当の実力がわかるのか?・・・素晴らしいとは思いつつも、板前日記で扱うのは「ブルース・アレー」のライブをちゃんと購入して聴いてから。。。と昨日送られてきたライブを聴いてみると、そりゃもうすっごいンであります。ブルースを歌っても、ジャズ系のフォービートを歌っても、バラードを歌っても。オリジナル曲ではないのに、全部の曲が彼女のために作曲されたのではないかと思うほど、見事に歌いこなしています。たぶん、「この曲はこんな風にして・・・」なんていうレッスンや試行錯誤がなくても最初から問題なく彼女の歌になっているんでしょうね。


歌を歌うためにこの世に生を受け、神様から授かった特別な才能を発揮できた女性です。


でももう彼女の歌を生で聴くことはできません。


たぶん、手に入れたこの貴重なライブ録音は一生私の身近におかれるはずです。彼女のようなディーヴァに触れることができただけで幸せです。




一方日本では、同じ音楽の括りで語るのもどうかと思うのですが、CDが発売され、多くのファンを魅了しているという点では同一の業界にいるはずのAKBなんとやら。


先日見た記事には、総選挙投票のために購入されたCDの末路の哀れが書かれていました。


たぐいまれな才能を世の中にしれないうちに亡くなったにもかかわらず、一曲で未だに世界のどこかで感動を与え続けている歌手と、お金の匂いしかしない音楽プロジェクト。同じ土俵ではないとわかりつつ、両方ともが大好きな「音楽」の世界の出来事であることがやるせないではありませんか。


「美しい歌声」「癌で夭折の天才歌手」だけを切り取ってポンニチTV お涙頂戴感動秘話で扱われないことを切に願います。