TVに出た店


仕出用の弁当造りに追われていた正午前、フリーのおばさま二人連れのお客様が暖簾をくぐりました。


「こちらはちょっと前に○○テレビに出た店?」
「いえ、テレビには出ておりませんが。。。」と私


「このあたりに○○テレビに出た店ないかしら?この町内だったんだけど」
「お店の名前は?」
「名前は覚えてないわ、○○テレビに出た店よぉ」


こりゃ無理です。


「申し訳ありません。存じませんが」と私。おひきとりいただきました。




とある先輩の奥様(同じ業界ではありません)の愚痴


「この前TVで紹介していた○○をお取り寄せしたのよぉ。それがね、ちっとも美味しくないの」


・・・・というTV紹介のお取り寄せに失敗した話をこの三年で何回聞いたでしょ?「○○が美味しかった」というお話は全く聞いた覚えがありません。そろそろ学習してもいいころなのにね。



TVに出た店であるから・・・と、疑うことなく美味しい店であると信じている方は日本人の何%くらいいるんでしょ?


もしかしたら80-90%??は信じているかも。


まっ、紹介のされ方は様々ではあるのでしょうが、「TVに出てた」「芸能人の○○がTV美味しいっていってた」「TVのランキングで一番になっていた」等々、ともかくTV情報の影響力の大きさにはほとほと感心します。


私ン処はマス・メディアに注目されることなど全くありませんが、数少ない経験で言えば、TVで紹介される以前に下見、味見に来たスタッフさんは100%いません(お忍びであったかもしれませんが)


地方局の夕方情報番組やグルメ紹介番組の影響力は一週間がいいところ(一週間後には違う店が紹介されますから)と聞きます。「プロフェッショナルの○○」とか「情○大○」だったら半年〜一年か?いずれにしても期間限定であることは確かです。それくらいTV情報はあふれまくり、視聴者は忘れまくるのであります。


いいかげん、「TVでやってた」「食ログの点数が高かった」を捨てて、自分の舌に近い方の情報を見つける時代になるといいのにね。