豆の季節


お豆の季節なんであります。


「筍の季節」「松茸の季節」「根菜の季節」(は言わないか?)なんて言われるのに、「豆の季節」はどこも言いませんし、TVの特集なんていうのもみたことがありません(痩せる、アンチエイジングって取り上げればすぐに話題になるはず。実はメキシコで心臓疾患が少ないのは豆をよく食べていることのおかげというお話も)



豆の季節なんであります。




写真は空豆(地物) スナップエンドウ(京都丹波いくた農園さん) うすい豆(京都産) 枝豆(不明)


時期はちょっとづつずれるのですが、五月から今くらいの季節にこれらの豆が収穫されます。


うすい豆は過去に何度か紹介しています。



さやから豆を取り出し、ゆであげて、1個ずつ薄皮を取って、裏ごしします。豆のペーストができたら、それを引き立てのお出汁でのばして軽く葛をひいてお椀の汁になるのですね。うすい豆のすり流しです。


天然の色が鮮やかで初夏を感じる好きな献立です。豆くさくならない上品さはうすい豆でなければ出せない味わいなんですね。


前回お話しした「大量仕事」ではないのですが、根気と手間だけが必要な料理です。一口で飲んでしまう出汁を手仕事でこなしていると、「はい、この料理に手数料20%が差し引かれます」(一昨日のお話ね)なんていわれると、根気ががらがらと崩れてモチベーションが下がりまくるんでしょうね。真っ当にお足を頂戴し、小さな声で「美味しい」と聞かれれだけで仕事を続けられる。職人ってそんな単純な存在。