手数料商売


世の中、こうも景気が悪く、普通にモノを作って売っているだけでは生活していけない状況の中、手数料商売がぐんぐん力をつけています。


たとえば結婚式紹介場で様々な式場を一気にみられて便利に利用するカップルは数多くいるわけですが、情報を集めて紹介することでホテルや式場から手数料をいただく商売が立派に成立しています。直接ホテルなり式場に出かけて契約するカップルと、紹介場を経るカップルでは手数料分だけ原価が違っても不思議ではありません。まっ、その便利を承知の上で利用しているのですから、手数料分がどこかに上乗せ(もしくはマイナス)されていても、それはそれで納得なのでしょうが。


たとえば、最近よく電話がかかってくる「通販で売る商品があれば私ン処で扱わせていただきます」というやつ。店の料理を通販で扱ってもらい(もちろん営業活動をしてもらい)売れた分だけ手数料を納める仕組み。


たとえば、十数軒の仕出料理の情報を集めて企業等に売り込み、注文をいただいて加盟料理店から手数料を取るという仕組み。


たとえば、クーポンサイトに店を載せ、40−50%オフで客を集めて手数料を料理店から取る仕組み。


一ヶ月にお誘いの電話や営業が何件もあります。


私ン処のような小さな店にとって、ふだん手が回らない営業活動や宣伝活動が手数料であると考えれば、ただでさえ大変な景気を乗り越えるために、この手のお誘いに乗るのも一つの方法かもしれません。


が、
頭の古い私のような職人はダメなんですねぇ。


物作りだけを信じて仕事をずっとしていると、言葉はきついですが、他人の褌で割り前をとるような仕組みには身体が納得できないのです。



大手安売り紳士服の店では、「スーツ一着に替えのパンツを付けると、パンツは30%オフ」なんていうのが当たり前、「1枚目のシャツは1990円で三枚買えば3990円」なんていうのも当たり前なんだそうですね。聞くところによると、一枚の洋服にかかる人件費を30%と考えれば、一回で二枚買っていただければ、二枚目の人件費は値引いてもOK・・・って仕組みなんだそうです


大きな商売としての枠組みでは全くわかりやすい仕組みであっても、一枚の洋服を手仕事で作っている職人が売るとなると、「人件費はオフ」とは考えられないのですね。


そういう頭の固さがデフレの世の中を渡る妨げになっているのかもしれませんが、自ら作ったモノを直接お客様に渡すっていう仕事をしているとやっぱり割り切れないんですねぇ。。。。そうやって消えていくのか?職人。???