お酒の予算


皆さんは料理店に出かけたとき、お酒の予算はどれくらいでお考えでしょう。


アルコールに強い方弱い方、懇親会なのか家族連れなのか、料理店を使う目的などなど様々な要素が絡みますから一概には言い切れないのですが、そう、料理の値段に対して何%くらい?


たとえば、料理に\5000円くらいかかる店で常に二倍¥10000くらいの予算を常に用意することもないでしょうし、お酒を普通に飲む方々が集まったとして\1000くらいをお酒の予算に考えたのではちょっと足りないんでしょうね。


極々一般的に考えて、和食店であれば料理が\5000くらいならお酒に\2000-2500くらい、フレンチレストランだったら\5000くらいの料理に\4000-5000くらいのワインをあわせることが多くないでしょうか。実際、飲み物のリストって料理\5000の店に数万円のワインがごろごろ並んでいることも、超高級日本酒ばかりを集めていることもあまり多くないような気がします。料理店はお客様のお財布を常に考えていますから、そのあたりのバランスにはとても気を遣うモノなのです。


いずれにしろ、先に書いたように和食 フレンチの二つの料理店だけをとってもお酒にかける値段の認識って開きがあるものです(一本単価の違いが大きいのですが)


たとえば、私ならフレンチレストランに出かけて、\15000の料理を頼んであれば、夫婦二人でワインにかける値段は大概\13000-15000になることが多いのです。それくらいのバランスが料理との相性もいいような気がしています。具体的にいうと、二人で料理一人前と同じくらいの値段のワインです。


これが和食になると圧倒的にお酒(日本酒)にかける値段への認識は低くなります。料理が\15000でもお酒には\2000-3000くらいでしょうか。お客様もそんなモンだろうと思って予約をしてくださるケースが案外多いのです。日本料理に対するお酒ってフレンチに対するワインよりもずっと位置づけが低いのですね。ところが実際には日本料理の質的な向上はこの15年ほどめざましく伸びていて、昔のようにどこに行っても大手メーカーの熱燗と大手メーカーのビールではなくなってきています。


私ン処では長い時間をかけて自分の料理と相性のいいお酒を探してきました。「これ!これを使いたい!」と思わせるようなお酒は当然のようにお値段もそれなりで入手も簡単ではないものが多いのが実情です。そういった日本酒を楽しんでいただく場合、フレンチのワインへの値段とまでもいかないまでも、お酒にかける予算も昔の常識よりはすこしたっぷりめに・・・という時代が少なくとも私の店ではやってきています。


「あいつの店に行くときにはお酒の予算もちょっと考えて行ってみようかな」と思っていただけたらものすごく嬉しい。