失敗を引きずる


世界中のあらゆる人たちが仕事上でもプライベートでもどこかで失敗をするものです。


そしてその中には、夜中にふと思い出してしまって「ワァーー!」と叫びだしてしまいそうになるくらい、いつまでも心の中に引きずる事柄があるはずです。


私なんぞ、凡の極みですからそれらを忘れやすいという特技さえ持っているはずなのに、それでも「ワァーーー!」があります。


とはいってもその失敗によって人を殺してしまったり、不幸のどん底に陥れると言うほど深刻なものはないのがまだ救いなのかもしれません。



人生を長い間やっていると、自分の心に残るだけでなくて、人類の歴史に刻まれるであろう大事件を目の当たりにします。昨年の震災と原発事故はまさにその代表格ですが、忘れられないのが、事故そのもの以上に、事故に対応する国とメディアのあり方でした。


私自身がいつまでも心に引っかかっているのは、一号機の水素爆発の事実とその映像が日本の政府や日本の大手メディアから最初に知ったのではなくて、BBCの映像で知り驚愕したこと。その後の官房長官の「爆発」ではなくて「爆発的事象」というぼんやりした発表と、それにともなって「直ちに人体に影響はない」という発言。そして、昨年末の総理大臣の「終息宣言」


私が官房長官 総理、事実を知っていて知らせなかったメディアの責任者であったなら、自らの発言や行動の落ち度と国民への影響の大きさを思い返すと、毎晩「ワァーーー!」と夢にうなされ、心身を喪失するに違いありません。それらを心に封じ込めるか、忘れるか、人のせいにできるから政治家でいられるのか?どうなんでしょ?