アレルギーと好き嫌い


この数年「○○と○○が食べられません」と最初におっしゃってくださるお客様が増えてきています。もちろんこちらからも少人数の場合はお伺いするようにしています。


この「食べられません」が昔は好き嫌いであったのが、昨今の傾向はアレルギーである場合も多いようです。以前に比べるとアレルギー反応をきちっと調べる方も増え、特にお子さんの場合には体調に直接影響がでますから親御さんとしては注意されるのでしょう。



つい先日のお弁当の注文では30個のうち、海老NGがお一人、鶏肉NGがお一人、玉子NGがお一人、魚NGがお一人、海老玉子肉魚NGがお一人あって、仕上げに少々苦労しました。とはいえ、料理屋ですからお客様のご要望にはできることをすべてするのが当然ですから、じたばたとしていました。父の時代であれば、アレルギー関連の知識も世間的な認知度もありませんでしたから、料理屋でさえ「そんな細かい注文はできません」といい、食べられないものは残すとか、他の人と交換すればいいじゃん・・・くらいに思っても不思議ではなかったのです。こういうNGがある方々はいわゆる外食産業のチェーン店に出かけたときはどうしていらっしゃるのでしょう?きっと外食にはご苦労が多いんでしょうねぇ。


別に先日、お座敷でも一歳半のお子さんの注文に、小麦粉NG 玉子NGというご要望があって、一応段取りを整えたのですが、いざ盛る段になって、海老フライ(お子さんですから)に小麦粉と玉子を使っていることにスタッフが気がつき、あわてて米粉とアラレで作った海老の揚げ物に変更。「おおーーと危ない危ない」とお出ししすると「あっ、言い忘れてました。海老も駄目でした」・・・と。


アレルギーのあるお子さんは一つだけでなく、たくさんの注意品目があるのですね。お母様は大変です。


昔は「食べられません=わがまま」であったのに比べると科学的な裏付けによって発言がしやすくなっているのかもしれませんが、美味しいのに食べたくても食べられない不幸は、まったく食べられないものがない私には計り知れません。