日本酒好き? ワイン好き?


不思議なことに、日本酒好きなお客様の前でワインのことを少し話すと、「親方ぁ、ワインの話をしているときの方が楽しそうだねぇ。日本酒よりもワインが好きなのぉ?」とおっしゃいます。


逆に、ワイン好きなお客様の前で日本酒の説明をすると「日本酒の話をしていると生き生きして見えるよぉ。日本酒の方が好きなんでしょ」と


ある意味、日本酒好きはワインに、ワイン好きは日本酒に嫉妬しているのではないかと思うほどです。


こう見えても私、両方とも全く垣根なく尊敬し愛しています。その分け隔てのなさは、自分の子供たちに接するのと同じで、長男より次男、長女より長男という区別が120%ないのと全く同様です。


残念なことに、ワイン好きは世界中でワインが一番美味しいと信じ、日本酒好きは日本酒こそ世界に冠たる食中酒であると譲りません。どちらも同等にという方はかなり少数派。酒屋さんですらどちらかに偏りのある方がほとんどですし、ソムリエさんの中に日本酒を熱く語る方はあまりみたことがありません。


日本酒ワインという、食中酒としてほかに類をみないほど完成度の高いお酒を前にしてどちらが好きと決めてしまうことはとてももったいないことです。両方を同じように楽しんでいただくために私たちを利用していただければ一番ありがたいことです。