百田尚樹さんのtweet


twitterを覗いているとたまに刺激的な発言が目に付くことがあります。


昨日の放送作家にして小説家の百田尚樹さんのtweetにはドキドキしました。


内容はこんな感じ





腹に据えかねることあって、『永遠の0』のテレビドラマ化のオファーは断った。テレビ局の連中は、自分を何様と思ってる。




先月、某テレビ局はシナリオを全面書き直して、連休明けに仕上げると約束した。ところが連休が終わって何日経っても連絡がない。版元が連絡したところ、もうすぐ仕上がるという返事。先週、児玉清さんの通夜の席で、くだんのテレビ局のプロデューサーとばったり出会った。(続く)




(承前)するとそのプロデューサーは「週明けに修正シナリオを持っていく」と言った。ところが週が明けても一向に連絡なし。版元が再度、どうなってる?と訊くと、「土曜日に出来上がる」とのこと。いくらなんでも遅すぎる。百歩譲って、遅延を認めても、遅れるときは連絡を入れるのが礼儀。




テレビ局の人と話していると、「ドラマ化してほしいんでしょ?」という姿勢を感じる。ドラマの放映予定は来年の一月だった。もしかしたらテレビ局は、敢えてギリギリまで引き伸ばした可能性もある。「これ以上ぐちゃぐちゃ言うと、書き直す時間がなくなってドラマ化できませんよ」と言えるように。




テレビドラマ化されると原作の本がバカ売れする。だから、多くの作家がシナリオに不満でもドラマ化をOKする。テレビ局はそれを知ってる。もちろん、ぼくも本が売れて欲しいし、金も欲しい。しかし、偉そうに言わしてもらえば、金よりも大事なものがある




明日、某テレビ局のプロデューサーが、ぼくに会いに大阪まで来る。表向きは今回のシナリオに関しての経過報告(事後報告)と交渉終了の挨拶だが、もしプロデューサーがドラマ化の再交渉の余地ありと思っているなら、それは大きな間違い。再考してくれと言われたら、ただちに席を立つ




ぼくは自分で小説家とは思っていない。売れる本を書いてないし、テレビの仕事を兼業してるから。すると編集者は「永遠の0が売れてるじゃないですか」と言う。しかし売れたのはそれだけ。しかも文庫。たまたま一作だけ売れて「小説家でござい」なんてかっこ悪くて言えない




今日、家を出る前、嫁さんに、「あの無礼なテレビ局にはドラマ化は絶対にさせない」と言った。「原作料1億円払うなら話は別やけど」と付け加えた途端、嫁さんに「あかんやろ!」と一喝された。「金の問題やないやろ!」と。たいした嫁やわ。




ツイートしたつもりが消えていた。本日、某テレビ局のプロデューサーに会い、『永遠の0』のドラマ化を正式にお断りした。長年テレビ局で仕事をしていて、局員の傲慢で無礼な態度には慣れていたつもりだが、今回は相当にむかついた。ドラマ化を断って、ほっとしている。




『永遠の0』のドラマ化を蹴った話を、同業者(テレビ関係)にすると、皆から「もったいないことを!」と言われた。たしかに2夜連続の5時間枠、しかも主役はジャ○○ズの人気タレントだったから、ぼくの作品が一気に知れ渡った可能性は大きい。今から、某テレビ局に謝りに行こうかな^^




『永遠の0』をドラマ化したいと言ってきた某テレビ局は、シナリオを重要とは思っていなかった節がある。ジャ○○ズの大物タレントを使えば、どんなシナリオでも視聴率を取れるだろうと考えていたのではないかと思う。4月に持ってきたシナリオは、呆れるほどひどかった。(続く)




(承前)驚いたのは起用した脚本家が実績のないセミプロだったことだ。セミプロの起用そのものは否定しない。力があればプロもアマもない。私が『永遠の0』を書いたのもアマチュアの時だ。(続く)




(承前)ただ、プロデューサーと話していて、ふと思ったのは、もしかしたら自分たちの要求を素直に聞く新人を選んだのではないかということだ。脚本家は誠実な感じの人だった。どうやらテレビ局側にいろいろ要求されて、その通りに書いたような感じだった。(続く)



(承前)結局、いろいろあってドラマ化は正式にお断りした。テレビ局はまさか断られるとは思っていなかったようだが、信頼関係を築けないスタッフに作品をあずけることはできない。普通の判断である。





放送作家として長く活躍してきた百田さんの発言だけに重みがあります。「あの名作小説が、TVドラマ化してしまうとどうしてこんな風に目も当てられない状況になってしまうのか・・・」という私の疑問へのストレートな答えがここにありました。ベストセラー「永遠の0」のドラマ化顛末というのが激しくリアルです。