駄菓子屋さん


facebook上で友人が駄菓子屋さんの風景を書いているのを見て、自分自身と子供たちの駄菓子屋さんとの関わりを思い出しました。


子供たちが小さい頃、ふと思い出して、近所の駄菓子屋さんに連れて行ったことがありました。子供たちが3−5歳だったか、駄菓子屋さんデビューです。


私も通ったその駄菓子屋さんは、私の頃には小柄なおばあちゃんがいて、店に入ると抱きしめるようなスキンシップでかわいがってもらいました。そのときは、当時青年だった息子さんが初老の域に入って、店にいました。


「おう!久しぶりだなぁぁ」と私たち親子を歓迎してくれた彼は、戦災孤児で駄菓子屋おばあちゃんに拾われて育てられたと噂に聞いていました。まっ、そんな噂はともかくも、子供たちの扱いは手馴れたものでした。


上の子には小さな箱をまず与えてくれて、その中に好きなものを入れるように教えてくれます。下の子には「いくら持ってるの?」と聞きつつ同じように小さな箱を。


お金の計算ができる子には自分でさせて、まだできない子には使えるお金の分を越えそうに時点でやさしく教えてくれるのです。それは子供たちがお金でものを買う経験の最初の一歩でありました。自分を振り返って見ても、10円で何が買えるのか、これを買えばこちらをあきらめなくてはならないし、これとこれなら得した気分になれる・・・なんていう経済感覚を知った初めての場所がこの同じ駄菓子屋さんでした。


20年ぶりに入った駄菓子屋さんでは100円を握りしめていれば、当時でも子供には贅沢な気分に浸れる素敵な場所でした。同じ金額で流行のおもちゃやさんではなにも買えず、スーパーのお菓子売り場でも一袋の菓子が買える程度なのに、駄菓子屋さんでは小さな子供心をわくわくさせる品物が並んでいたのです。


そんな経験が役に立ったのかどうかはよくわかりませんが、それ以降お金を持たせて子供たちだけを行かせるようになった駄菓子屋さんに、子供の楽しそうな顔を見たくてたまに一緒に出かけてしまうほど私たち親子には二代に渡ってお世話になった社交場です。