五代目


連休ということもあって、本日は昼 夜で8人の小さなお子さんたちがお越しになりました。


そのうちお昼のお二人は1歳と3歳。お父様お母様 お祖父ちゃま お祖母ちゃま 曽祖父さま 曾祖母さまの四代がお集まりになるにぎやかな楽しい会でありました。


実はこのご家族、高祖父(ひいひいおじいちゃま)からお付き合いで、今回お越しになった小さなお子達まで数えると、五代に渡ってご贔屓にいただいている方々なのです。


店を最初にひいきにしてくださった初代(私の店にとっての)からはこんなお軸を頂戴したり、こんな輪島を頂戴したりした特別かわいがっていただいた大切なお客様。


今回お越しいただいた曽祖父さま 曾祖母さまの終戦間もないころの婚礼も私の祖父 父が料理をさせていただていいます。


最初にお声をかけていただいてから果たして何年が経っているのでしょう?この五代という長い年月のご贔屓は、店の小さな小さな努力と、お客様の度量の深さで成りたったかけがえのない店の誇りです。これはもう料理屋冥利に尽きる・・・という言葉でも言い表せないほど幸せな、商売人としての存在の証です。


このご家族、お嫁さんが入り、お婿さんも加わり、そのお子さんが増え・・・と、家族が増えていっても、全員に隠しきれない品があるのです。どこかではみ出した方が一人もいらっしゃらない。この家族の系譜が正真正銘のお家柄というやつです。だからこそ、こんな小さな料理屋をかわいがってくださるのでしょうね。


たとえ店がなくなるときが来たとしても、こういうお得意様にかわいがっていただいたという事実だけで、「弁いち」が存在したと胸が張れるような気がします。