今使えるかもしれない料理 その3


被災地ではないところで買い占めによる食料品不足の噂を聞くようになりました。


今朝、近隣のマーケットでは米が品薄であったとか。あわてて取引の米屋さんに電話を入れると


「品薄なんてことはないですよぉ。お宅の分はちゃぁぁんとありますから」と。


私がおぼえている限りで、この40−50年でお付き合いのあった米屋さんは二軒だけ、浮気をしない長い付き合いを専門店としていれば心強いものです。聞けばこの品薄騒動は絶対量が足りないからではないようです。


・・・・ってなわけで、大都市で「明日の米がない」と不安な方、蕎麦なんていかが?


手打ちに「こだわる」諸兄はさておき、家庭で食べる暖かい蕎麦は蕎麦汁さえ美味しくできれば、乾麺であっても全く問題はありません。現に店のお惣菜には乾麺や茹で麺をよく使います。インスタントではない汁を作り置きして(長期常温保存ができます)みてはいかがでしょう。


まずはざる蕎麦にもつかえる「蕎麦かえし」


濃口醤油:1000cc
味醂:330cc
砂糖:50g
以上を鍋に入れて一度沸騰させ、冷まして保存できます。


ざる蕎麦にはこのかえし:出汁=1:4の割合であわせたものをつけだしとして使えます。


暖かい蕎麦にはこの別に温かえしを作って置きます。

味醂:180cc
砂糖:250g
薄口醤油:540cc
濃口醤油:600cc
以上を同じように鍋で沸騰させ冷まします。


暖かい蕎麦には前述のかえしと後述の温かえしを1:1であわせ、それを出汁で10:1で割ったものを使います。


出汁はざる蕎麦の鰹節 昆布の上品な出汁よりは、うるめ節 そうだ節などの雑節がはいったほうがコクがあっておいしい汁-ができます。


水:1000cc
そうだ節:30g
鰹節:10g
昆布:30g
以上を水から火にかけて沸騰させ弱火で5分程度で漉します。そこに10:1の割合で出汁:「かえし+温かえし」を入れれて沸騰させれば汁の出来上がり。関西の方々が恐れおののく真っ黒な蕎麦汁ですが、出汁のコクという意味では濃口醤油がしっかり入ったこの汁の方が蕎麦には美味しいように思えます。以前にうどんで使うような薄口醤油と塩で味をとった出汁で食べてみたのですが、がっかりでした。


この基本さえできれば、この汁で鶏を焚いて鳥南蛮、てんぷらを入れて天ぷら蕎麦、天カスをいれてたぬき蕎麦、身欠鰊をいれて鰊蕎麦・・・バリエーションはいくらでもできます。


かえしと温かえし、作ってキッチンの下に作りおいてみてください。