ハーパーさんの山廃


日本酒にちょっと詳しい方ならフィリップ・ハーパーさんの存在をご存知だと思います。


私が知ったのはもう10年以上前、奈良の「梅の宿」にイギリス人の蔵人がいると聞いたときからです。梅の宿には”Unfiltered”などと書かれた無濾過純米吟醸なども出て、とうとう外国人が日本酒造りに参加するようになったのかぁ。。。と思ったものですが、ハーパーさんはそれから別の蔵で杜氏も経験され、今は京都丹後の木下酒造で玉川というお酒を造っておいでです。もちろん杜氏として。


今回頂戴してみたのは蔵の最上、玉龍 純米大吟醸山廃生酒




ミルキーのような滑らかな香り、口に含んだときに熟したパイナップルの味わい・・・が舌に広がり、しっかりした骨格をもった酒質が後味の長さを強調してくれます。これを飲んで「外国人が造った」と特定する人は皆無のはず。山廃の出し頃をきっちり理解した熟成感は見事です。


ハーパーさんが造ったお酒には「外国人が・・・」のくくりは捨て去らなければいけません。「酒造りの根幹は?」の質問に「人の和」ベラッベラの関西弁で答える方なのですから。