ラーメン餃子をやめる決断


とうちゃんかあちゃんが営む街の中華料理屋さんは減ってきているような気がします。不況の中、経営的に成り立つ飲食店は大手のチェーン店だけになるのではないか・・・という方もいるほどです。


私なんぞ、東京の学生時代には街の中華料理屋さんのおかげで生き延びてきたといってもいいほど貧乏学生の味方でありました。



私の若い友人である中華職人さんは、まさにとうちゃんかあちゃんの街の中華料理屋さん。真っ当な修行を経て独り立ちし6年、彼が「半年前にやっとラーメン餃子をメニューからはずしました」と言います。「ものすごく悩んだんですけどね」と付け加えて。


30年前に私がお世話になった街の中華屋さんのメインはなんといってもラーメン、餃子、レバニラ、中華丼。しかしながら勉強家の彼ではそのあたりでウロウロしていてはあまりにもフラストレーションがたまりすぎます。常に前を向いて自分の献立を作っていくための第一歩が、ラーメン焼餃子を捨てることであったのです。


お任せのコースメニューと、黒板に書いた季節のお奨め・・・


席に着くなりメニューを見ずに「ラーメンと餃子ね」という注文のお客様はいなくなるかもしれませんが、意欲に満ちた新しい献立を楽しみに見えるお客様は増えるはずです。


街のとうちゃんかあちゃんの中華料理屋さんがより創造的で美味しくなるための決断を大きな期待をもって見つめて差し上げたい。