悪口になってしまうのがいけない


昨日一昨日と日記を書きながら、読み返すとどうみても悪口と取られてしまう文章になってしまって、結局アップすることができませんでした。




昨今のTVドキュメンタリーの定番、抜きん出た能力を持つ方を長時間にわたって密着取材して番組化するお決まりの例のヤツ、各局で見られます。プロフェショナルがどうしたこうしたとか、情熱がどうしたこうしたとか、匠がどうしたこうしたとか、達人がどうしたこうしたとか。


私が多面的にみれれるのはやっぱり食分野の方で、取り上げられた店には実際に訪れた店もあります。確かにこれらの達人達の技術は素晴らしく、私のようなボンクラからみると天上人としか思えないような天才的なきらめきを持った特別な才能を発揮していらっしゃる達人です。


しかしながら、その店が技術が高いがゆえに素晴らしいか・・・というと、必ずしもそうばかりではないケースもあります。


ある店では、こちらが同じ職人と知られてしまったせいか、ずっと料理談義・・・というよりは「料理とはこういうもんである」という説教じみた教えを頂戴したり、ある店では、カウンターに座るやいなや次々と品物が現れて結局30分で○万円、交わした言葉は二言三言ということもありました。


料理は確かに素晴らしい、文句のつけようもなく素晴らしい。素材も田舎モンの私など到底太刀打ちできない日本中の最上級・・・・なのですが、お支払いしたお足の分豊かな気持ちで店を後にしたか・・・というと100%の満足ではなかったように思えます。


いつも自分でも言うように「いい店は足を運んでなじみになって初めて評価が下せる」とも思うのですが、いい店は技術が高いからだけでいい店とはなりえない・・・ともいえるような気がするのです。


このところ何度か取り上げたように料理のよしあしは店を構成する要素の何分の一でしかないのです。


もうひとつ決定的な要因は、メディアが職人を持ち上げすぎているということです。技術が高く、長い修行をしただけでなく、未だに上を目指す姿勢は立派ではありますが、一つの側面だけを大仰に取り上げすぎて本人の意思がこそばゆく思うほど奉りすぎなのです。


職人はあくまで職人。お客様を心地よくするための一端をなっているに過ぎないのです。(悪口になっていませんか??ああ、不安)