料理以外に支払うもの


料理店で支払うお足の多くは料理とお酒への対価だと思われるでしょう。確かにお代は料理とお酒の原価計算からはじき出されています。


しかしながら、そこには掃除が行き届いているとか、白衣が汚れていないとか、笑顔でお客様に接するとか、料理が遅れないとか、お客様に見えるところに汚れた器やごみ、ビールのケースみたいなものが見えないなどということに費やされる費用も含まれます。


ある程度以上の客単価の店で料理がスムースに出てこなかったり、同じ席のお客様の料理の出し方のタイミングがずれていてはお客様はかなりがっかりします。


同じようにカウンター席から料理場の汚れ物が見えていたり、ダスターが汚れていたり、親方の怒鳴り声が聞こえたりしてもお客様は興ざめです。


それらすべてを含めて、料理店に入ってから出るまで、お客様の心地よさだけに配慮できて初めて店の格にあったお足を頂戴できるのです。


料理店が使う能力を10とすると料理そのものへの力は4-5程度なのかもしれません。


そのハードルの高さはクラクラするほどです。