既製品率


クリスマスケーキをクリスマス直前に作る大手菓子店はほとんど存在しないように(秋に作って冷凍するそうです)、お節料理に既製品を入れることは大手では当たり前になっています。


11月にもなれば素人が見れば驚くくらい分厚いお節料理専用のカタログが送られてきて、カタログから選ぶだけでお重箱を満載にできるほど多岐にわたる製品が真空パック冷凍で利用できるのです。


普段の稼動率の何倍もの量を年末に稼がなくては利益を出せない、企業として成り立つような料理店では、熟練の職人を年末だけにそろえることは100%無理ですし、人件費を削って数をこなすためには既製品を使わなくてはやっていけないのが実情なのです。


以前に年末の新聞で「お節料理の仕込みに追われる料理店」とキャプションのついた有名料理店の厨房写真には、既製品の八幡巻が山積みになって調理長が切り出している姿が写っていて驚いたことがあります。


私達が広告に載っているお節料理の写真を見れば既製品率は一目瞭然、ひたすら「大変なんだなぁ」と職人さんに同情するしかありません。


とはいえ、「既製品だからダメ」という論理では、先日お話した「化学調味料を使っているかどうかで料理店を判断する」というのと同じスタンスになってしまいます。中には確かに、半端な料理人が作る料理よりも既製品のほうが美味しい場合もあるのです。既製品の工場には手練の職人がいて製品を作るまでの試行錯誤は大変なものだ・・・とも聞きます。


今日地元新聞の広告に入っていたお節料理の既製品率は○○%


手仕事を貫こうとする料理店は数をこなせないし、口コミでしか知られません。長年の傾向を見ていると既製品率は間違いなく大きくなり、お節料理はそんなもんだ・・・と思っている消費者は間違いなく増えています。


選ぶのは消費者。