認識不足


調理師学校から勉強に来ている研修生も後二日で終了です。


なれない現場にも関わらずしっかりがんばってくれました。



「ところでさぁ、同級生の日本料理志望の学生って何人いるの?」と私。


「10人です」


「そん中で和食の個人店に就職が決まっているのは?」


「いません。4人は集団給食で二人がホテル、あとは決定していないかも・・・居酒屋かなぁぁ」


聞けば、同級生は60-70人いてその半分は洋菓子希望なのだそうです。


80万都市のこの地に調理師学校が二校、調理師学校がない周辺まで考えれば100万以上の人口に、今年、私ン処のような個人店で職人を目指そうという若者は独りもいないということなのです。就職時期ぎりぎりを考えたとしても5人は現れないはず。


昨今は調理師学校を経ない新卒の就職希望者はほとんどいませんから、調理師学校の実態が即職人希望者に繋がります。



以前は毎年なんとかして若い見習いを入れて育てようとやっきになっていましたが、今日聞いたこの事実をみれば、若い職人が健全に育つことはほとんど難しいことがわかります。


チェーンの居酒屋さんで料理を覚える若者はいるとしても、「職人」の仕事を今後若者に期待することは無理かもしれません。今の私の仕事こそが職人仕事とは微塵も思っていませんが、この程度でさえ後20年後にはなくなっていくことは自明のことです。


全国チェーンの料理店と、半端な仕事しか知らない料理人が作る個人店がますます増え、まっとうな仕事を継承する店は天然記念物になるのです。30代40代の食いしん坊の皆さん、老後の食の楽しみは日本料理店にはなくなるかもしれませんよ。