地元のブラジル人


とても興味深い記事を教えていただきました。客観的な目を持った浜松在住のライター資質を持った方が書いた内容はかなり説得力があります。


数だけをとらえれば地元にとってブラジル人のかなり大きな存在です。一時期は50万人の人口(政令指定都市前)に5−6万人の外国人といわれたほどのこともありました。人口の10%なんですから相当です。


とはいえ、実際に私自身の生活圏 仕事圏でブラジル人に接することは99%ありません。住宅地区ではブラジル人に限らず外国人を見ることはほぼありませんし、店の周りでブラジル人を見ることもあまりありません。ましてや、店にお客様として見えたことは一度もないのです。


ごく稀に一部のショッピングセンターに出かけた時に「おお、ここはどこの国?」と思うほうどの外国人を見掛けたことがあること、夏の休日、川に「水遊び+バーベキュー」に出かけた時に、数年ご無沙汰していた穴場が90%ブラジル人で満たされていてたじろいだこと・・・くらいです。


ただ、「たじろいだ」と書いたように、差別意識がないことに自信を持っていた私にとっても、いままで日本人しかいない場所が外国の人々であふれているのを目の当たりにするとまさにだじろぐのです。居場所がないというのか、誤解を恐れずに言えばちょっと怖いという気分になってしまう・・・というのは「差別意識がない」などというのは頭の中で納得しているだけで、肌で感じるどうしようもない感覚に目覚めた瞬間でした。



一方別の経験もあります。以前にも書いたことがありましたが、15年ほど前私ン処には日系ブラジル人の女性が板前として働いていたことがあります。


日系人とはいえ、私にとっては初めての外国人労働者。日本人の顔をしていてもラテンのノリだったらどうしよう?日本語の細かいニュアンスは通じるのだろうか?などなどの不安は彼女が働き始めて二日ですべて解消されました。昭和初期気風の厳しい日本人の家庭環境で育てられた彼女は、昨今の若者よりもはるかに節度を知り、恥じらいを知り、なにより働き者で1を教えれば10が理解できる聡明さと向上心を持っていました。


彼女のおかげでブラジル人への偏見が180度変わったといってよかったのですが、それでも接して馴染むまでにはやっぱり段階が必要であったのです。



レポートにもあるように、ここ浜松には日本人のホームレスがいてもブラジル人のホームレスは存在しません。それとは別に犯罪者にブラジル人がいるとどうしても記憶に残りやすいだけでなく、実際犯行後にブラジルへまんまと逃げかえった輩がいたことをこの地の人々は忘れられません。


それらをすべてひっくるめてどのように共生していくのか?高いハードルがいくつもありそうです。