お大尽その2
写真の巻物は3.5m 昭和二十ニ年 戦争後間もないころに三日間にわたって行われた婚礼の献立です。
この時代によくこれだけの食材を揃えられたなと思うような豪華な内容です。
これが昨日お話したお大尽のご子息様の婚礼でした。父から聞いて話では、この時には一週間前からご自宅に泊まりこんで仕込みに取り組んだということです。祖父を中心に父と弟子たちの名前も入っていて店にとっては宝物のような巻物です。
祖父が亡くなった時のお通夜に、このときの新郎であったお得意様が「この献立はここにあった方がいいでしょう」と持ってきてくださいました。
こういうお心遣いというのがお大尽の真骨頂です。これがお金持ちとお大尽の違いです。