サマーウォーズ


主題歌が大好きな山下達郎さんであろうと、映画館に足を運ぶ決め手にはならないのでありますが、「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」で聞いた細田守監督ご自身の言葉に動かされ、乗り気ではない連れ合いの手を引いて出かけてきたのです、「サマーウォーズ」


上映が終わりシネコンの通路を歩きながらいつも夫婦でああだこうだと映画の感想を言うのが通例なのですが、嫌がっていた連れ合いが終わった瞬間に座席で「いやぁ。。。凄いわぁ びっくり」というではありませんか。私自身も予想をはるかに超える映画の素晴らしさに圧倒され言葉も出ず、時に涙さえしてしまうほどでした。


細田守監督はデジタルとアナログ世代の垣根も、生々しい大家族の人間関係と引きこもりがちなオタクの垣根もこの映画一つでいっきに飛び越えて両者を肯定的に語る荒業を見事に成し遂げてしまっています。この発想力、構成力、そしてアニメーターたちの凄技。たとえば何度か出てくる20-30人の食事のシーンを一人の作画家が担っているらしいと聞いただけで、日本のアニメ界の底力をひしひしと感じます。


なんという才能がこの日本に存在していることか。


この映画は決してDVDで自宅の小さな画面と貧弱な音響で鑑賞してはいけません。ましてや、CMと編集でぶち切れになったTV放送で観るなど犯罪です。夏休み、映画館に足を運ぶべき必見の映画です。(といいつつ前作「時をかける少女」はDVDで観なければなりません。無念)