群馬泉

clementia2009-07-28



群馬県太田市 島岡酒造の群馬泉 純米吟醸「淡緑」(うすみどり)です。


五年ぶりくらいに使ってみて、「こんなに奇麗なお酒だったかぁ」と認識をあらたにしました。


群馬泉というと男らしい濃厚で骨格のしっかりしたお酒のイメージが頭からはなれませんが、「淡緑」(うすみどり)はその秀逸な命名の通り、生命が息づく新芽の頃のように峻烈に生き生きと口の中ではじけるように酸が美しく、群馬泉の本領であるコクがしっかり口に広がる美味しさがあります。濃厚だけでなくはんなりとした美を感じます。


こういう造り手の丹精が見えるようなお酒に出会うと、「所詮お酒は好みの世界だから」という好き嫌いは個人の志向であるという議論の前に、私たち料理人は好みより先にある、酒造りのまじめな手仕事がお酒に現れているかどうかを見極める能力を研ぎ澄ませる努力を怠ってはならないな・・・と強く思うのです。私たち職人が素人違うところはこういういいお酒を好き嫌いで判断しないことなのです。