ライブでわかる実力
ケニー・ランキンが亡くなりました。
昨年末に紙ジャケで旧作が一気にリマスタリングされて現れたばかりだというのに、無念。
一般的はあまりなじみのないシンガーですが、私はランキンが大好きでした。きっかけはBSで放送されたブルーノートでのライブ。
当時はまだGRPなどのアルバムのサイドマンとして知らなかったブライアン・ブログバーグのベースとのたった二人のデュオ。ランキンはピアノを弾き、ギターを弾きながら歌います。二人の超絶テクニックと言ったら、当時レコードでしか聴いていなかったランキン像は一気に変わってしまいました。レコードで小奇麗にまとめてあるランキンはマイケル・フランクスの亜流くらいにしか見えないのに、アカペラで最初に歌う”ALWAYS”で歌声の素晴らしさと歌い回しの絶妙さで聴衆を打ちのめし、続くインストルメンタルのテクニックで追い討ちをかけるのです。
紙ジャケの発売とnetでのDVDの購入でたくさんのランキンのアルバムを聴くことができたのですが、未だにあのブルーノートライブを超えるパフォーマンスを経験したことがありません。
VHSで残してある一本のランキン、私のお宝です。