飲み放題かおまかせか


忘年会のシーズンには「飲み放題のプランはありますか?」というご質問がよくあります。


「飲み放題はありません」と告げると、「今どきありえない!」という反応さえあります。


いつのころからでしょう「○○放題」が蔓延したのは。


しかしながら周りを見渡してみてください。「○○放題」で舌を満足させることはできましたか?個人的な経験では「食べ放題」も「飲み放題」も二度目は近づきたくない感じがします。



私ン処ではお酒でも満足していただくのはとても大切なことですので、「飲み放題」をお考えの幹事さんには「もしよろしければ上限のご予算をお伺いして、予算の中で料理とお酒をアレンジさせていただきますが。。。」とご提案しています。予算の中におさめるという意味では同じことのはずなのですが、近頃の幹事さんは「放題」のリミットなしに魅力を感じるようなのです。


私の「おまかせ」は料理にビールと上質な日本酒、焼酎を組み合わせて、私の手のひらの上で遊んでいただくのです。


これまでたくさんの宴会をこなしていますので、客筋と最初の15分くらいの飲みっぷりを見ていれば、どのくらいのビールの量をお出しし、どのくらいのレベルの日本酒をどれほどの量だせばご提案の予算で収まるのかの予想はつきます。一見のお客様でなければ過去の記録をさかのぼってさらに手厚いおもてなしができるはずです。伊達に長年の経験を積んでいるわけではないのです。お酒の量が進まなければ料理の内容をよくすることにシフトし、お酒の量が多くなりそうなら出すべきお酒のラインアップを調整する・・・・料理屋の腕の見せ所です。


「放題」で安心するよりも、長年培った「おまかせ」の安心を実感していただくには店の馴染みになることも大切なのですね。