ルジェの実力
ブルゴーニュの神様 アンリ・ジャイエの甥 正統な後継者であるエマニュエル・ルジェ。
いくつかのサイトで、「本当に美味しいの?ルジェ」「後継者として評価できるか?」というようなお話を聞きます。
私自身、アンリ・ジャイエでさえ、「それなりにちゃんと美味しい」クラスは飲んだことがあっても、「卒倒しそうに美味しい」アンリ・ジャイエを飲んだことがありません。エマニュエル・ルジェはこれまで10数本しか開けていませんが、やっぱり「それなりに美味しい」という経験しかありませんでした。
「本当に美味しいのか?ルジェ」
いやいや、これが本当に美味しいかったのです。
やっと理解できました。
すっごいです、ルジェ。
開けたのは1996年、ただのAC 村名「ヴォーヌ・ロマネ」(クロ・パラントゥーではありません)
店のセラーには三本だけあって、最初に開けたのは2005年。それなりに美味しいとはいえ、ほかの作り手の同じヴォーヌロマネに比べて傑出しているというほどではありませんでした。「ルジェ こんなもん?」というのが正直な印象だったのです。
次に開けたのは2007年。開くのにまだ一時間ほどもかかったとはいえ、開いてからもやっぱり「ジャイエの後継者っていってもねぇ」 ルジェの評価は中々あがりません。十年の熟成を経てもこれではやっぱり駄目なのか?硬いって感じではないのですが、凡庸ではあります。
その間に1994年のクロ・パラントゥーとか1996年のパストゥグランとか、やっぱり爆発的に美味しいとまでは思わなかったのです。
ところが今回開けた三本目、手持ち最後の1996年ヴォーヌロマネは倒れそうなくらい美味しくなっていたのです。
「えっ!これリッシュブルー??!」と思うほどの力強さ、馥郁たるブーケ。長い余韻。正しい熟成はワインにとってこんなに大切だと改めて実感しました。
エマニュエル・ルジェ あなたはまさにアンリ・ジャイエの後継者です。
まだ、ジャイエの真骨頂を知らない未熟者が言うのはおこがましいですが。