料理屋の万歳


先日の大勢様、若い方が多い宴会であったのですが、めずらしくお開きは万歳三唱でした。


そういえば最近、宴会の〆の万歳、聞かなくなりました。


昔は10名以上の宴会では〆には万歳がつきものでした。私の子供の頃芸者集の弾く三味線は子守唄代わりでし、ちょうど布団に入る頃階下の座敷ではよく「ばんざぁぁい、ばんざぁぁい」と聞こえたものです。お部屋から万歳の声が聞こえると、帳場では「さっ、お開きだ。お帰りの用意用意」と、下足準備の合図であったのです


私が町内の仲間と数十人で飲む日が続いたお祭りの頃にはすでに万歳は廃れていて、三本締め 一本締めでした。いつのまにか万歳からシャシャシャンになり、いまではなくなってしまいました。



世代的には君が代、万歳には違和感をたっぷり感じる時代に育ったのですが、宴会の万歳は別物。あれは私達古い世代の料理屋にとっては「はい、今日はお集まりいただいてありがとうございました。お疲れさまぁ」みたいなモンだったんでしょうね。今では大勢が集まる宴会自体が少なくなる傾向にありますから、万歳以前の問題ですね。


そういえば、小学校でも新年で全校生徒が登校した朝礼では万歳がありましたし、卒業式にも万歳がありました。君が代を歌う歌わないよりもずっと国家主義的雰囲気に思えるかもしれませんが、当時はそれが普通であったのですね。時代は移り変わります。