目玉ワイン

clementia2008-11-26



ワイン会にはその日の目玉となるワインが存在するものです。


昨日お話したワイン会は素人目に見ればボルドー三本 ムートン1996 レフォール・ド・ラトゥール1988とラトゥール1979の飲み比べ辺りが目玉になるように見えますが、私には他にも二つの注目株が。


千寿葱を濃厚な味のお椀に使うところで用意した白ワイン二種類は第一の目玉。


プイイ・フュッセ クロ・デ・ムッシュ・ノリー1998(ヴァレット)とバタール・モンラッシェ1998(ヴェルジェ)


ヴァレットのクロ・デ・ムッシュ・ノリーは1996年から三回続けて使う極上のプイイ・フュッセ。味も値段もフュッセの域をはるかに超えて、ピリニー・モンラッシェのプリミエ・クリュクラスです。プイイ・フュッセというとブルゴーニュ白ワインの中では中の下クラスに考えられ、自腹でシャルドネを注文するには有難い値段で、味わいもそこそこにちゃんと美味しいワインです。ところがヴァレットのノリーは長期の樽熟成を経て濃厚で複雑な味わいをもっています。中でも最初に手に入れた1996年は息を呑むほどの素晴らしいワインでした。1997年はそれなり・・・で、1998年はというと・・・・熟成感がかなり進んでいて1996年以上にブーケが複雑、「これはイケムではないか!」と思うほどの深い黄金色、凝縮感あふれる濃い味わい。やっぱり通常のフュッセを遥かにに超えていました。


次がジャン・マリー・ギュファンのヴェルジェ バタール・モンラッシェ1998。ヴェルジェのバタールが手に入った唯一の年、しかも1998年以降ヴェルジェの価格は異様に高騰してしまい以後買うことができなくなってしまいました。つまり手持ちの最後のヴェルジェ、しかも最上級。10年の熟成を経て飲み頃をむかえました。エレガントなバランス、長い余韻、まだバナナやピーチを思わせる若々しい香りも見えるのに味わいには深い奥行きがあります。モンラッシェのすぐ下の畑のバタールを使っているらしいこのボトル、白ワイン完成形のお手本のようなフォルムをしています。


しかしそれにしても貴婦人のようなバタール・モンラッシェに対して、濃厚なフェロモンを発するようなプイイ・フュッセ、フュッセがここまでバタールに対して自己主張しているのがなんとも素晴らしいではありませんか。


シャンパンのあとの白ワインですでに最高潮に達してしまいました。