池波志乃の毛並み


ラジオで聞き知ったお話。


池波志乃さんのデビュー当時、競演したフランキー堺が池波に移動の際の車の中で「君はこれから落語なんかを勉強したほうがいいなぁ。聞いてみたら」


知らなかったとはいえなんと恐ろしい。馬生(ばしょう)の娘、志ん生の孫、志ん朝の姪っ子最強のサラブレッドに「落語を聞きなさい」って。


そこで池波志乃さんの偉いのは、先輩に恥をかかせられない・・・と黙ってしまうのではなく、即「実は私・・・」とフランキーに自分の素性を語ったというところです。後になればなるほど気まずくなる世間の習いを十代でちゃんとわきまえている。これも毛並みの良さゆえなんでしょうねぇ。


追記
「落語 聴いてみなさい」と助言したのが、「幕末太陽伝」を演じたフランキー堺であったことことも話により深みを加えます。
志ん朝の名演が録音に残る「居残り佐平次」を元ネタにした「幕末太陽伝」ですからねぇ。