お子様


ある程度以上のお値段のお店では「お子様お断り」が多いと聞きます。


以前から言っているように私ン処では「お子様歓迎」「そのための個室ですから」と申し上げています。実際お子様でも常連といえる方々がたくさんいらっしゃいます。もちろんご両親がお得意様なのですが。この子達をみれは「お子様お断り」どころか「拝んでも来てほしい子供たち」です。


18歳以下を「お子様」でくくってしまうと、大人以上に魅力的なお子達がお得意様であることが、ある意味私の自慢です。「この子達のお気に入りに数えられるとしたら料理人として大きな勲章」とさえ思うのです。



小学校前からお越しいただいてる男の子三人組は、お見えになるたびに食が太くなり、しっかり食べた後はそれぞれが仲良く遊んでいて、大人たちの食事の邪魔をすることがありません。早いうちから料理屋の雰囲気を身につけて将来が楽しみです。全員がお父様のお仕事を継いでいかれたら素晴らしいな。


同じように小さな頃から起こしいただいているご兄弟三人は、お母様のしつけの賜物か、三人が三人とも穏やかで優しい雰囲気をお持ちです。知らない間に全員が深い音楽的教養を身につけてしまっていて、先日など「ストラビンスキーだったらYOU TUBEの○○が面白いですよ」などと私が教えてもらう始末、クラシックの分野ではすでに太刀打ちできそうにありません。


魅力的なお母様の影響をもろに受けた中学生のNちゃんは、小学生の頃からすでに雰囲気をもった素敵な佇まいをもっていました。こんな子供をもった親はワクワクするだろうな・・・という逸材。


大学生になったAちゃんは、小学生の頃から日本酒好きのご両親のおかげでほんのちょっとだけ極上をなめて育ったお陰で、すでに最年少の日本酒エキスパートです。


高校入学のために東京へ旅立ったBちゃんは、中学のときにすでに大人と同じレベルでお話もでき、気遣いもできる子です。東京生活を経てさらに精神的に自立してたくましくなられたように見えます。彼女のお話を聞くときはすでに子供と話しているとは微塵も思えません。


これらの素敵な子たちに押しなべていえるのは、親が素敵なこと。「この親にしてこの子あり」「親の背中をみて子は育つ」鷹の子はちゃんと鷹になるのですね。



そうやって考えると自分の子は?・・・「ごめんね、この程度の親だから」・・・とあっさりあやまるしかありません。