司馬遼太郎


たまたま大河ドラマ篤姫」を見ていて、自分が西郷隆盛大久保利通のことを全く知らないことに気がつきました。


海音寺潮五郎司馬遼太郎でも読んでみようか・・・と本棚を探してみても、確かあったはずの父の「翔ぶが如く」が見つかりません。父の生前、本棚にづらりと並べていた司馬作品は父たちの世代の愛読書でした。


かくいう私も本を読むようになったきっかけは司馬遼太郎竜馬がゆく」でした。小学校中学と学校の読書カードに一年で一冊しか本が書かれないような全く本を読まない少年であった私に転機が訪れたのが、中学三年のときに手に取った「竜馬がゆく」でした。一年に一冊、しかも読書感想文のために仕方なく・・・ほどの人間が、一気に全五巻の大作に惹きこまれたという経験はショッキングです。達成感もさることながら、「本というのは面白いもんだ」と強く心に刻まれた瞬間でした。当時の司馬作品は中年のおじさんたちに絶大な人気を誇っていて、父など読書=司馬作品といってもいいほどでした。つられるように本棚にあった司馬作品を次々に読んではその魅力にひきつけられたのもつかの間、大学くらいになると中年オヤジがとうとうと述べる歴史観がすべて司馬史観だったりするのを見て、次第に司馬作品から離れていったのでした。


もうあれからずいぶんと時間がたって、自分が父と同じ世代になった今、果たしてどんな風に司馬作品が心に響くのか?ちょっと楽しみです。