役員


ひとつ所で長く商売をしていると、地元の小さなコミュニティでのお付き合いも大切に・・・というよりは、お付き合いをして当たり前になります。


父も祖父も、時代もあったのでしょうが、それなりに様々なお付き合いを大切にしてきたようです。地元自治会の役員とか商店会の役員とか料理関係職人関係の役員とか・・・などというのはすべてがボランティアですが拝命して当たり前であったのです。


父は祖父が商売そっちのけで得にもならないその手の会合に始終借り出されるのを見て「いい加減にしておいてほしい」と思い、私も父が様々な理事や○○長などという役をおおせつかっていくのをみて、「私は決してそういう風にはなるまい。ちゃんと仕事をしよう」と思ったものでした。


ところが、ある年齢以上になると次第に断りきれないお付き合いが増えてきました。役員をされる方々というのはほとんどが大きな商売をされていて、社長が席をはずしていても仕事が回るのでしょうが、私のように小さな店では私がいなければ仕事になりません。


「できればほかにどなたか」「仕事の合間にしかできませんがよろしいですか?」と念を押しつつお役を承るのですが、できる仕事は本当に限られています。


振り返って考えてみると、すでに祖父が20年もかかわっていた自治会の役を初めて受けたのが私よりもまだ若い頃、父が熱心に取り組んだ組合の仕事もかかわったのは今の私よりも若い頃。今回先輩に押し付けられたある会の理事をしぶしぶ引き受けたものの、私の歳には父も祖父も理事長、副理事長などという役職をこなしていたのでした。自分の年齢を改めて感じるだけでなく、代々続けるというのは、仕事だけでなくまつわるコミュニティのお付き合いも引き受けるということなのです。本当は仕事だけしていたんですが。。。