奈良漬

clementia2008-07-15



奈良漬は買うとなると結構高価ですが、自分で作ればかなり安価にできます。


夏になると瓜や胡瓜、ズッキーニのような野菜はぐんぐんと成長して、少々大きくなったシロモンがとても安く手に入ることがあります。胡瓜などは「笑ったらもらえる」ほどの値段に。


そんな時に一年分を漬けてみましょう。即席ではなくて、常温で一年保存できる本格的なヤツ。


胡瓜(はやとうり 白瓜)は洗わずに塩漬けにします。漬ける野菜の20%の量の塩をまぶし大きな桶(バケツ)に入れて重石をします。重石は野菜の1.5−2倍の重さ。


4−5日すると水が出てきますので、さらに塩(野菜の0.5%)を加えて一ヶ月漬ける。


ここでは塩の量と重石の重さがとても大事です。塩はかなり多く感じると思いますが、野菜から塩の効果で出た水で野菜全体がかぶっている状態でないと暑い時期でもありますのでカビが生えます。濃度の濃い塩水に漬かっているからこそカビが生えないのですね。


一ヵ月後、胡瓜を水でよく洗い、半日程度水に漬けて塩抜きします。ここで塩が抜けていないと最後まで塩辛い漬物になります。次にざるに上げ一日陰干しにします。


そこでいよいよ酒粕に漬け込みます。酒粕は一年熟成したものですと美味しく漬かります。酒粕にザラメと塩で味をつけ、胡瓜を桶に隙間なくひきつめながら酒粕で漬け込んでいきます。漬け込むこと一ヶ月、酒粕を拭い取って新しく漬け直します。さらに一ヶ月後、同じ作業をもう一度繰り返しますが、最後の酒粕には焼酎を加えます。


最初の作業から三ヶ月、これで奈良漬の出来上がりです。こうしてできた奈良漬は常温で置いても痛むことがありません。使うたびに酒粕を洗って食卓にお出ししてみてください。時間をかけてじっくり作ると、先人達の保存食の文化をしっかり理解することができます。冷蔵庫も保存料もない時代に食品を長期保存する知恵は驚くべきです。