チェーン店


チェーン展開をしている飲食店にはあまり興味がありません。


自腹で行くチェーン店と言えば近所のドトール(豆を買いに、もしくはサンドウィッチを食べに)くらいかも。


今日のお昼、町内のあるお疲れ会の昼食会場は中部地区にチェーン展開する和食店でした。こういう店でコース料理をいただくのは何年ぶりでしょう。たかをくくっていた料理の数々は、「たかをくくる」っていたら痛い目にあうかもしれないものでした。確かに年季の入った料理人の手になる料理は少なく、既製品もここそこに使われ、迫力のある素材は何一つ使われてはいないのですが、「どれが既製品であるか」とか「素材の力」などには興味のない普通の素人には充分に説得力のある料理なのです。きっと献立は充分に検討され、器を小奇麗に整え、経験のない料理人でも格好が上手くつくように開発に努力が重ねられているのでしょう。


どの皿をとっても負ける気はしませんし、どの器をとってもやられたなぁとは思わないのですが、私ン処であれば松花堂弁当に毛の生えたくらいの値段食べられるコース料理は、さほど料理に興味のない一般の方々の満足度を考えると、同じ値段なら負けているかもしれないと思えるのです。


送迎のバスが用意され、食中と食後にはお茶の種類を替え、レンタルの品物とはいえオシボリが二回出て、トイレが美しく、お座敷は客単価から想像できないほどゆったりして・・・と、ターゲットを明確に定めた各種の取り組みは、これで利益を出すためには大変な努力が必要であるなぁと感じさせる緊張感があります。


荒物屋さんが街から消えてホームセンターになり、喫茶店が街から消えて○トール、○タバになり、洋食屋さんが街から消えてファミレスになったように、個人の日本料理店が街から消えるとしたら、それは間違いなく個人店の「チェーン店なんて脅威にはならない」という危機感のなさが原因となるでしょう。侮れないチェーン日本料理店。