新春


新年明けましておめでとうございます。本年も相変わりませずご愛顧のほどよろしくお願いいたします。


我家では子供たちが成長して家族全員がそろうことがなかなか間々ならなくなってきています。一般のご家庭でしたら、お正月は必ず家族がそろうのでしょうが、私ン処では家族が一同にそろうのは、まず暮れも押し迫ったお節料理の仕込みの最中です。一年に一度しかない何百という単位の仕込にはともかく人手が必要です。一家総出はもちろんのこと、子供たちの友達もアルバイトに借り出して、普段の三倍の人数で事にあたるのです。


子供たちがどんなに忙しくても友人との待ち合わせがあっても、お節料理の時だけは身体を開けておくというのが料理屋の不文律です。私も同様でしたが、就学前から子供心に何か皆忙しそうだと理解し、マショクにあわないながら小学校にはお手伝いに参加し、そのうち一仕事を任せられるようになる。今の自分の子供たちが一人前に職人っぽい仕事まで出来るようになってきているのを見て、子供の成長を知ります。


そうやって怒涛の年末を越してやっと新年が明けます。


この歳になってやっと「無事に年が越せることの有難さ」「新年を家族がそろってつつがなくむかえられることのありがたさ」をシミジミと感じています。そういう意味でお正月というのは、誰にするでもない感謝の気持ちが自然にわいてくるときなのですね。


重ねて今年もどうかよろしくお願いいたします。