脱落


どれほど自分が美味しいと思っていても、お客様に理解されないものはお出ししても意味がありません。


普段お座敷での料理では、見込みがなさそうなものはすぐに消えてなくなるのですが、お節料理のように一年に一回の仕事ですと踏ん切りがつかないことがあります。


今まで何年か盛り込んでいた紅白かまぼこを今年はやめようかと思っています。「出来合い」をほとんど入れない私ン処のお節料理の中でかまぼこはさすがに自分ではできません。正月の祝いの気持ちを込めて紅白のかまぼこは必需品だと思って入れてきたのです。もちろん、入手は吟味をし、食材屋さんでも私ン処のためだけに取り寄せるくらい、普段は高価で売れないかまぼこなのです。一切れの単価は自家製の唐墨よりも高いくらいで、自分で食べても「これなら納得」と思えるものなのですが、残念ながらお客様の反応はとても鈍いのです。玄関先で単品で売ってもまったく動かないほど人気がありません。デパートで同じものを購入すれば一本が○千円はするのですが、かまぼこの美味しさを理解していただけないのでしょうね。一人でも「ありゃ美味いねぇ」なんて言葉があればがんばちゃうのですが。。。。


今年は変わりに京都の堀川牛蒡を使ってみようかと。かまぼこは自分用だけ手に入れて楽しむことにします(残念)