最終日


井上ひさしさんの蔵書は20万冊といわれています。どうやって20万冊を読んできたかというと、情報の取捨選択が上手だったのですね。購入した本は目次と、後半に目を通すと、どこを読むべきか、読まなくてもいいか、すべてを丹念に読むべきかが判断できるのだそうです。最近のように情報過多な時代にはきわめて大切な手法です。


井上ひさしさんに比べるべくもないのですが、私も本だけでなく、雑誌も、net情報も、昨日お話したラジオ、ipodも、CDも、TV番組も選んだ情報をどの程度読み込むかよりも、どれだけきっぱり捨てられるかに気を使うようにしています。


TV番組はもう何年もリアルタイムで見ることはなくなってしまいました。とりあえずDVDで録画しておいて溜まったものを、見ないで捨てていく作業をしていくと案外無駄な見るべき時間は少ないものなのですね。




昨日お話したラジオレコーダーで、どうしてもとりたかった番組がJ-WAVEの深夜 26:00-28:00の菊池成孔さんのジャズ番組でした。さすがに深夜の二時からではリアルタイムで聴けなくて、先日ワクワクしながら第一回目の録音をしたのでした。なにしろジャズマンというのは楽器を持てば雄弁でも、しゃべるちっとも面白くないことが多いのです。ギャグはすべるわ、構成は適当だわ、選曲は唯我独尊だわ・・・そんな中菊池さんのしゃべりは超別格です。大学で人気講師でもあり、著作もたくさん。楽器と同じくらいユニークで多弁。


さて、彼の番組なら取捨選択の余地はないぞ・・・と思いつつ、聴き始めると「今日が最終日です。一年間ありがとうございました」と。なんと聞き始めが最終日でした。大人の事情で番組を下ろされた(本人弁)だけあって、「立つ鳥なんとやら」の逆で言いたいことをぶっちゃけるぶっ飛び番組でありました。あれほど面白い番組が聴けないなんてとってもとっても残念。


菊池成孔さん再登板熱望。