8本のうちの1本


読みかけだった沢木耕太郎さんの”世界は「使われなかった人生」であふれてる ”は興味深い映画評に溢れています。こういういい評論を読んでしまうと、板前日記にはますます映画のことが書けなくなってしまうなぁと落ち込んでいたのでした。ところがPodcastインタビューで熱く語られていた沢木さんのお話で、この本で月一本のペースで取り上げている映画を見る間に平均月8本の映画を観ているというのです。8本観て語るに足る映画が1本あるかどうか。それほど密度の濃い鑑賞の中から生まれた映画評なのですから、日記で一言書く文章などとは比べるべくもないのは当然なのです。板前風情が落ち込むなんてこと自体おこがましいことなのでした。


というわけで、昨日観た映画”しゃべれどもしゃべれども” 落語を題材にした稀少な映画ではありましたが、演技演出の基本的なところにたくさんの課題がありそうです。原作の素晴らしさでそれなりに見せてくれるのではありますが。。。。落語通ではもちろんなく、落語好きといってしまうにもちょっと恥ずかしい少ない経験しかないのですが、名人ばかりを聞いている耳には語り口の上手い下手が自然に判別できるようになっているのに自分でビックリです。