ナツメロ


団塊の世代の郷愁をさそうためか、TVでもラジオでもなつかしのフォークなどという番組で往年のシンガーたちが懐かしいメロディーを奏でている姿を最近よく見ます。今日、仕入れの途中で聞いたNHKラジオでも杉田二郎鈴木康博が。


歌われる歌は時代を懐かしみその時代を思い出すために歌われているような気がします。


私からすると音楽をそういう風に懐かしみ「俺たちの青春は・・・」「まだまだ青春だ・・・」と語り合うのは勘弁していただきたいと思ってしまいます。話に加齢臭があるのではないかと感じるほど引いてしまうのです。


懐かしむ音楽というのは人生をともに歩みずっと聞き続けていた音楽ではなくて、昔々聴いた、その時期だけたくさん聞いたから懐かしい音楽なわけで、ある意味手垢のついた古臭い音楽に思えてなりません。


私の音楽棚に並ぶ音たちは1950年代から現在まで、そのほとんどは手に入れてからずっと聞き続けている音楽で、時代を懐かしむための音楽はひとつもありません。自分の耳で名盤と理解した音楽に時代は関係ないのです。たとえば、山下達郎さんのFM番組「サンデーソングブック」ではオールデイズを中心にプログラムを組みますが、山下さんがそれらの音楽をナツメロとしてとらえることは決してありません。ずーーーと聴き続けている音楽なのです。


音楽を自分の人生を美化するために使うようなことはしたくはないなぁぁ。青春を美化して語るようになったら老人の証かもしれないなぁぁぁ。


ちょっと先輩の団塊の世代の方々にはそんな風に老いていただきたくはありません。