エスプレッソ


店の良し悪しを判断するのに、一品の料理の些細な内容をあげつらって「こんなことをする姿勢ではすべてがダメ」と概念的に全否定してしまうのはどうかと思います。


パスタのソースの塩味が一味(ひとあじ)濃いからといって、全部の料理がダメかどうかを判断するのは早急です。



とはいえ、一方で一事が万事ということもあります。


高いお足をいただくコース料理のお造りのツマに、一年中大根と菊の花、大葉というお店に他の多くは期待できないかもしれません。


イタリアンの場合、エスプレッソにそれを感じることがあります。食事の最後にシャビシャビでカップにタップリ入ったエスプレッソがサーブされると、それまでの料理がそこそこでもかなりがっかりしてしまいます。エスプレッソくらいそこそこでいいと思っているのか、日本人向けに意志を曲げてそうしているのか。。。。そこにイタリアンの店の姿勢とか志が見えてしまう・・・といっては大げさでしょうか。


証明するように、これまで「素晴らしい」と思ったイタリア料理店のエスプレッソはすべて30mlほどのしっかり味わいと香りの濃いもので余韻を長く楽しめました。反対に「もうちょっとなんだけどなぁ」とか「二回目はないな」の料理だった店でエスプレッソだけが素晴らしかったことは一度もありません。


これって私だけの経験なんでしょうか?


チェーン店には大きな期待していませんが、イタリアンの本当の姿を知っているであろう個人店の店には変な妥協で志を閉ざしてして欲しくないものです。