やせ我慢

clementia2006-10-27



丹波の松茸。


これ見よがしに値段も写真に撮っておきました。二本で48000円。これ見よがしというか、やせ我慢を身体に植え込んで気合を入れるためでもあります。


京都や東京の高級料亭では「松茸は丹波でなければならない」という店がいくらでもあるのでしょうが、田舎町の小さな料理屋には全く分不相応、やせ我慢の逸品です。


とはいえ、地方都市ではやせ我慢でも続けていないと「これ!」という食材が入ってこなくなってしまうのです。「あそこは安モンしか売れないから」と思われたらそれなりの品物だけの場所になります。それは市場レベル、八百屋レベルでも同じです。まず、市場への入荷がなくなり、八百屋へも入らず、料理屋は当然のように欲しい時には手に入らなくなります。



同じように魚でもやせ我慢は続きます。





遠州灘であがった白川(白甘鯛)2.7kg


漁港で「取り置きしておいたよ」といわれれば、魚屋はがんばって買い入れ、料理屋も無理をしてでも使おうという気持ちにならないと、取り置かれなくて築地へ大阪へ京都へと行ってしまう魚です。大都会のほうが高く売れるのです。


一般レベルでもよくこのあたりに転勤でやってきたご家族が「この辺りは海に近いのにおいしい魚がない」とおっしゃいますが、「欲しい」「買うぞ」と思わない処には「おいしい魚」はやってこないのです。白川・・・とは言わないまでも、「私が買う」と思うところから美味しいものがやってきます。



料理の美味しさの90%は食材で決まります・・・と私は確信しています。美味しさのためにはやせ我慢も必要な時があるのです。


やせ我慢だけですと店は潰れてしまうんですけどね。