糠床ふち

clementia2006-10-12



調理場での仕事を見て、「使える」「使えない」を象徴的に現すようなことがあります。


新人が入った時にきちっと教え込むことでもあり、入ってきた経験者の仕事ぶりをみて判断することでもあります。



「糠床のふちをきれいに保てるかどうか」


糠漬けを経験した人ならすぐに理解できると思うのですが、糠漬けを美味しくするには日々糠をかき混ぜ、空気を入れてあげることが大切です。糠床をまんべんなくかき混ぜること、これに尽きます。糠床をかき混ぜると当然容器のふちに糠がこびりつきます。漬物を漬け終わった後、こびりついた糠を必ずきれいにふき取り清潔にしておけるかどうか。仕事の出来ない料理人の糠床のふちは汚れていることが多いのです。


若い新人が一年間うるさく「糠床のふち!」と指導されても身につかないとしたら、多分彼は一生大成することができないと言い切ってもいいほど象徴的な事柄です。


お宅の糠床はいかがですか?  あっ、家庭レベルでは言い切れません。まっ、糠床のない若い家庭のほうが多いということは間違いありません。40代以下のご夫婦で糠床があって、手入れが行き届いているとしたら、料理上手、掃除上手・・・であることは間違いないでしょうね。