ご挨拶


最近景気を反映してか、バタバタと店が止め、ニョキニョキと新しい店ができます。


が、
めったに
「今度新しく店を始めます。工事ではご迷惑をおかけしますがよろしくお願いいたします」
とか
「すぐ近所で店を始めます。こちらは長くご商売をなさっていると聞きますが、このあたりの自治会長さんと近隣をまとめる方はどちらにおいででしょう」
とか
「明日から開店します。何もわかりませんのでどうぞよろしくご指導ください」
なんてご挨拶をうけることはめったになく、


ご挨拶に見える方は「奇特」な部類に入りつつあります。


どこかのお役所の白書では「三丁目の夕日」的なご近所づきあいを大切にする世の中の復活をうたっているのだそうですが、そんなことを強調しなければならないほど礼節を知らない人が増えているというのはまったくその通りです。


住宅でも当然ですが、新しい店ともなれば近所づきあいや街の中でのお付き合いがどれほど大事かが全くわかっていないのです。


私なら店の工事の前に、向う三軒両隣はもちろんのこと、町内のとりまとめをするような顔役、地付きの長い歴史をもつ家 、工事で迷惑のかかりそうな家には必ず菓子折りを持って「これから○○で工事をさせていただく○○です。ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いいたします。ご連絡のときはこちらまでお願いいたします」とご挨拶に伺います。


新しい店がどんな店になるのかは近所ではある意味戦々兢々でもあるのです。工事が始まる前に自分の素性を明らかにするのは当然のお話。


店が開店する直前にも「無事工事が終りました。○日から商売を始めさせていただきます。わからないことだらけですのでよろしくお引き回しください」


と、たった二回の挨拶で街での信用は格段に上がるのです。開店前後のちょっとしたごたごたがあっても頭を下げたかどうかで周りの印象は全く違います。その後のお付き合いのスムースになるというモンです。こんなことは言うまでもないこと、一昔前なら挨拶がなければ、礼儀を知らない連中がが近所にやってきた・・・くらいに思われても仕方のないことなのに、今ではそれが当たり前になりつつあります。商売を始めるというのはこの地域のコミュニティーに入るということだというのを忘れていはいけません。


美しい国日本」というのはどこか別の国のお話なのです。