ナプキン


先日TVでナプキンの使い方マナーのような内容を放送していました。


日本料理店でナプキンを使うようになったのはそう昔のことではありません。私ン処でもほんの7-8年ほど前からです。たぶん女性のお客様が増えたこと、西洋料理の影響があって少しづつ日本料理店でも広まってきたのだと思います。


確かに、使い慣れるとナプキンというのは便利ではありますね。


よく言われるのが、ナプキンはいつ手に取るものかということ。席についてすぐではがっついているように見えるし、料理が運ばれて目の前に来ているときにあわてて広げるのも慌しいし・・・ということで、注文を済ませてからというのがいいようです。


次にナプキンは二つ折りにしてひざに乗せるのか、広げて載せるのか? 二つ折りにすると、口をぬぐったりして後ナプキンの汚れが洋服に付かないように二つ折りにして汚れた部分を常に内側にしておけるので都合がいいのです。


席を立つときはナプキンはどこに?   中座をするときはフワッと椅子の上に、食事がすべて終ったときには軽く折って(たたんで)テーブルの上に。 というのが一般的で、サービスマンはそれを見て食事が終ったのか、まだ中座なのかを判断するといわれています。




とはいえ、そんなマナーは一応頭の中にあっても不都合ではない程度のことと認識しておけばいいのです。中座か食事が終ったかはナプキンで判断するほどのサービスマンではテーブルに目が行き届いていない証拠ですし、二つに折ったか折らないかでマナーを知っているかどうか判断するレストランも興ざめです。お客様が使いいいように使い、使いたくなければ使わなければいいのです。実際、私ン処のお客様の30%くらい(多くは年配の男性)はナプキンを最初から使いません。それは全くお客様の自由なのです。サービスはお客様の居心地良さのために腐心するのが本質で、マナーが出来ているかどうかで客筋のよしあしを判断する店があったら、それこそが本末転倒です。


私などナプキンというと、未だに昔なにかの映画で見たシーンが姿よく思えてなりません。


丸テーブルに一人で座ったちょっと太り気味の紳士。テーブルに皿が運ばれてくるのを今か今かと待ち、ウエーターが料理を運んでくる直前にナプキンをシャツの首のところにグイグイっと押し込み、両手をもむようにしてニコニコしてナイフを取る・・・・料理を出すほうもこの方は絶対に料理を楽しんでくださるという確信が持てるようなワンシーンでした。ここではいつナプキンを取るかとか、ひざに二つに折るとか、増してや料理の途中で中座などありえない食いしん坊の仕草です。


これでいいんだと思うのです。