メダルと記憶


一昨日の続き
「メダル」「メダル」と騒ぎ立てるメディアが、その後どのようにその記録を伝えるかで人々のスポーツの記憶は出来上がっていきます。いつの頃からか、アスリートの記録やパフォーマンスが記憶されるのではなく、悲しいことにメディアがピックアップした選手のコメントや行動で記憶されるようになってしまいました。


たとえば「生まれてからこれまでで一番嬉しい」バルセロナ岩崎恭子アトランタのときの「初めて自分で自分を褒めてあげたい」の有森裕子。「きもちいいーーっ」北島康介。いつまでもメディアが追っかけつづける高橋尚子。記録も立派ですが、言動やキャラクターとともに覚えられていると言って間違いありません。


逆に素晴らしい記録でもうっかりすると忘れてしまいそうになっているメダリストもたくさんいます。バルセロナ男子マラソンでの森下の記念に残る銀メダルは覚えているでしょうか。同じバルセロナの谷口の「こけちゃいました」の方がメディアには露出しています。アテネ野口みずきの圧倒的な走りよりもやっぱりメディアは高橋尚子が好きなようです。前述の森下なんぞ聞くところのよると韓国では知らない人はいないアスリートなのだそうです。同じ大会で金メダルを取った韓国 黄とデッドヒートを繰り広げ負けた日本人としての記憶です。ロスアンジェルス柔道のラシュワンが山下とともに記憶されるのと同じようなもの、プラス韓国人の日本に対する思いも含めた記憶なのでしょうね。


今回のオリンピックでは誰が記憶されていくのでしょうか?私自身は選手のパフォーマンスを自分の目に焼き付けたいと思ってはいるのですが。