お弁当の鰆

clementia2006-02-09



キャパシティの大きい料理店やお手ごろな値段で勝負する店では、冷凍魚、養殖魚を使わなくては商売として成り立ちません。ヘタをすると人件費を考えて、すでに処理済(三枚におろして味噌漬になっている魚)を使う事も頻繁であると聞きます。それはそれで値段や気軽さもおり込み済の仕事ですから、営利を目的とする企業体としては当然の事です。


が、
私ン処のような小さな店では、お弁当やランチに使う魚もできれば、近海の養殖でも冷凍でもない品物をつかいたいな・・・と思っています。時期と市場の値段をにらみながら狙っていればそれもまったく可能なお話なのです。魚屋さんもそれに応えてくれます。なにしろ大規模大量生産ではありませんから。



私ン処ではお手ごろなお弁当やランチに使う「鰆」です。およそ40kg、たくさんです。もちろん近海もので鮮度もいいので、40kgを扱っても調理場に魚臭さは微塵もありません。魚臭いのは結局鮮度の問題なのですね。


三枚におろし、骨抜きをした鰆に塩を当てて半日、達磨正宗さんの熟成させた酒粕に漬けます。手仕事で造られた真面目な酒粕にちゃんと応えられる素材でなくてはいけませんものね。


¥1000のお値段でも¥10000のお値段でも仕事のスタンスは変わらないというのが私の理想系。