綿屋斗瓶

clementia2006-01-13



一年に一本か二本いただけるだけというお酒が何種類かあります。


宮城県一迫町(いちのはざま)の綿屋大吟醸斗瓶もそんな一本です。平成15年の大吟醸を斗瓶で寝かせ、ボトルも斗瓶の形をした一升瓶(1/10サイズ)毎年なんとか頂戴したいお酒です。


昨日、お得意様に十四代「双虹」ととも綿屋斗瓶大吟を出ししました。


お酒に優劣があるとは思いたくはないのですが、綿屋のどっしりしたマニア受けする飲み口のお酒は一般的には十四代よりも先にお出ししたほうがお客様の舌には馴染みやすいという経験値があります。お酒は後戻りできません。「今飲んだお酒のほうが前のお酒よりもさらに美味しく感じられる」という命題をクリアするためにも、お出しするお酒の順番には特に気を使います。


綿屋斗瓶15BYの後に十四代「双虹」


両方とも今日が初めての抜栓、私も試飲をかねてご相伴させていただくと、今年の綿屋は強烈に素晴らしい。どっしりとした旨みとコク、酸がきれいに溶け込んでバランスが完璧な熟成になっています。比べてはいけない・・・あくまで比べてはいけないのですが、あの十四代「双虹」でさえ少々雑に感じてしまうほど(後から出した私の判断ミスです)の綿屋です。抜栓後すぐの味ですので、平成15年から斗瓶で寝かされていた綿屋の方がまとまりがいいのは当然で、双虹は数時間後には雑味が消えてくるものと想像できます。いやいやそれにしてもこのレベルでの優劣はばかばかしいと思いつつ、こんな綿屋を飲むといいものを知ってしまった不幸をひしひし感じます。左様にこの斗瓶大吟醸は圧倒的です。