巻頭がシダー・ウオルトンでいいの?


「意味がなければスウィングはない」人気作家村上春樹の音楽本とはいえ、本屋に平積みになっている売れ筋本の巻頭が「シダー・ウオルトン」でいいの?・・・ってのがまず最初の正直な感想。その後に続く目次も


シダー・ウオルトン
ブライアン・ウィルソン
シューベルトピアノソナタ第十七番」
スタン・ゲッツ1953-1954
ブルース・スプリングティーン
ゼルキンルービンシュタイン
ウィントン・マルサリス
スガシカオ
プーランク
ウディー・ガスリー


そこそこ幅広く音楽を聴いている人でなければ手も足も出ない人選です。このアーティスト達を知っているだけでなく、コンサートへ足を運んでいたり、CD、LPを通して持っている音楽ファンとなるとかなりの少数派でしょう。因みに音楽好きを標榜する私ではありますが、、、


シダー・ウオルトン(リーダーアルバム所有サイドメンアルバム多数所有 コンサートの経験あり)
ブライアン・ウィルソンビーチ・ボーイズの音をちょっと聞いたことがあるだけ アルバムなし)
シューベルト ピアノソナタ(TVで録画したけれど一度見ただけで消去・・・退屈)
スタン・ゲッツ(アルバム多数所有 そこそこのファン)
ブルース・スプリングティーン(小耳にはさんだ程度 ほぼ無知)
ゼルキン ルービンシュタインゼルキンはちょっとだけ ルービンシュタインはかなり好き)
ウィントン・マルサリス(アルバムの90%所有 ライブの経験あり)
スガシカオ(ほぼ無知・・・今聴いてます)
プーランク(音源数枚 興味あり)
ウディー・ガスリー(伝記映画「わが心のふるさと」(いい映画でした)を見ただけ)


貧弱なもんです。


という貧弱な音楽ファンでも、作家の書いた音楽本は概して食い足りないものなのですが、村上氏の時間をかけた聴きこみ方と考察に基づく文章は、実際にミュージシャンの音を聴いた経験がなくても読むものを納得させるだけの力があります。これだけのもん書かれたら下手なこと言えません。この本の評論でも書こうもんなら自分の音楽経験の未熟さをさらけだすようなものです。