ボラの子

clementia2005-10-05



自家製の唐墨をはじめて食べたのは15〜20年程前、新橋の「京味」さんででした。


名料理人の誉れ高い西さんに「こういうもん(唐墨)は自分で作るもんです」と言われ、当時唐墨は長崎あたりの高価なやつを買うのが当たり前だった私には頭をガツンとやられた思いでした。それから以降、私も「唐墨は自分でつくるもの」以外は使わないと心に決め、秋が深まり始める頃のボラの子を多量に塩漬けにして10日ほどかけて干す作業が恒例になりました。


出来上がった唐墨は11月いっぱいとおせち料理に使われ、塩漬けの珍味とはいっても私ン処では季節の品物になったのです。


店で出し始めた頃には「へーーー、自家製なんですかぁ」と珍しがられましたので、「こういうもんは自分で作るもんです」と威張っていってみたかったのですが、さすがに西さんの受け売りでは恥ずかしくて「唐墨は自分で作るもんだと教えていただきました」というほどにしておきました。


今日入荷したのが5kgほど。一番多い年は70kgも作ったのですが、去年今年の高値ではちょっと躊躇します。自分で作るのが当たり前になって需要が増えているんですかね?


いつになったらおおいばりでいえるんでしょう「こういうもんは自分で作るもんです」