先週はレイトショーでティム・バートンの「チョコレート工場の秘密」、翌日ロン・ハワードの「シンデレラマン」を見ていました。


ティム・バートン作品には個性的な顔立ちというのか、最初はちょっと引いてしまうようなオドロオドロシイ顔の俳優が出てくるのですが、「チョコレート工場」は俳優の子供から老人までこの手の個性で一杯。内容も子供のためのファンタジーというよりは、大人が見てシニカルに笑いそうな構成で出来上がっています。バートン独特の美学はここでもぶっ飛んでいて、美術を見ているだけでも見ごたえがあります。


シンデレラマン」 漫然とストーリーを追っていると、ロッキーのようなシンデレラストーリーにも見えるのですが、ラッセル・クロウ演じる主人公は大恐慌の中「食べるために戦い」「家族が離れ離れになりそうな貧乏から抜け出すために戦う」のです。ロン・ハワードラッセル・クロウも印象的なのですが、私にはレニー・ゼルヴィガーの上手過ぎる演技をみせつけられる映画でありました。「過ぎる」のはやっぱりちょっと違和感が。。。。



で、昨日は自宅でDVD崔洋一血と骨」 アンドリュー・ロイド・ウェーバーオペラ座の怪人


血と骨」は噂にたがわず心がヒリヒリ痛むような映画です。梁石日ヤン・ソギル)の原作も読みたくなるほどの崔洋一の手腕に惚れ惚れします。そうえいば2-3週間前に同じくDVDで見た同監督の「刑務所の中」もいい映画でした。


オペラ座の怪人」はまさにアンドリュー・ロイド・ウェーバー満開の映画であります。まず圧倒的に音楽が素晴らしい。語り継がれそうな名曲が目白押しです。普通まずまずのミュージカルでも一作品の中に1-2曲の名曲があれば御の字なのにこの作品はアソコにもココにも。主演のエイミー・ロッサムはあくまでミュージカルとしての歌唱法に徹していて、ロイド・ウェーバーには欠かせないサラ・ブライトマンのようにチャーミングに歌います。きっと本格的なオペラ歌唱法も身につけてるのでしょうが、敵役になるプリマドンナとの対比でも「オペラV.S.ミュージカル」が歌唱法だけでお際立っていて面白みがあります。


と、これだけ優れたミュージカルなのに映画になってしまうと、一つのめり込んでいない自分がいます。いつものことですが、オペラもミュージカルも人物描写やストーリー展開の部分でワクワクしたり我を忘れて引き込まれることがないのです。これは作品の問題と言うよりも私の貧弱な素養の問題であろうと諦めにも似た気持になります。聞き込んでいけばオペラもミュージカルも魅せられるようになるのでしょうか。そこそこ聴いていても「オペラ好きです」「ミュージカル好き」です、と、胸を張るようになれません。ホントは「虜です」と格好よく言いたいのに。。。