味わいの違い


お酒の味わいの違いは個人の表現の差です。


ある日のこと、磯自慢の新しい大吟醸、「愛山」を3組のお客様にお出ししました。



私ン処で飲んだお酒はすでに百種類は軽く超えているであろうあるお得意様、グラスを鼻に近づけて「おお、バナナ香のような・・・磯自慢の香りですねぇ。愛山で大吟醸も造られたんですね。味わいに奥行きがあるに切れ味も、さすがに磯自慢」と。



たまにご接待でお見えになるお客様、特に磯自慢自体には興味がなさそうに「すっきりしてるなぁ」と一言。



初めて起こしになった数人のお客様「うわ!甘い甘い甘い。こんな甘い酒飲めん。辛口持ってきて、辛口」



同じお酒なのに三組お客様が三様の表現をされます。甘いのか、辛いのか、すっきりなのか、香りがあるのかないのか、感じ方は様々なのです。




たまに思うことがあります。なかなか見つからない辛口志向のお客様のためのお酒、いっそのことどこかで造ってくれないでしょうか。


お米も麹もなんでもいいから、精米歩合をそこそこあげて、アルコール添加バリバリですっきり感をもたせ、活性炭で何度も濾過して水のように仕上げ・・・・でも、ラベルには大吟醸とは書かずに、純米酒古式仕立てとか書いて(違法だけど)、生産地を新潟から東北の日本海側のどこかの県にして、さらにできれば二級酒とか書いて(これも違法だけど)・・・・「昔ながらの純米 淡麗辛口 米処、水がいいからこそできた男酒」・・・・なんて(冷や汗)